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2022.10.06

#5 厳しい環境でも劣化しない 奇跡の高耐久性!そとん壁

そとん壁という外壁材があります。
耐久性が半永久的で、10年後、20年後・・メンテナンスがいりません。
完全防水な上に透湿性にも優れている。
そして、塗り壁の高級感があり、風合いの美しさをずっと楽しめる。
・・・そんな奇跡のような外壁材が、あるんです!


 
詳しいお話はこちらのYouTubeでも話しているのでぜひご覧ください。

 

■ そとん壁とは・・
「そとん壁」聞いたことが無い方もいらっしゃると思いますが、最近知っている方も徐々に増えてきたようにも感じています。
簡単に言うと「外壁用の塗り壁材」です。
原料は「シラス」というもので、マグマが急激に冷やされて火砕流になり、堆積したものです。
火山灰と混同されがちですが、火山灰が吹き上げられて落ちてくるまでの間に含まれていた多くの成分が揮発してしまっているのに対し、シラスは急激に冷やされているので、マグマの成分そのものが閉じ込められています。
僕はよく「自然素材のセラミック」と表現します。
そとん壁のメリット・デメリット、そしてメンテナンス方法をまとめていきましょう。
 

そとん壁の原料
 

■ そとん壁のメリット
①美しい風合い
シラス独特の風合いと質感が、上品でやさしい印象を与えてくれます。
人工物では決して表現できない本物の質感です。

 
そとん壁の建物
 

②メンテナンスフリー、なのに高耐久!
シラスは無機質の天然セラミック素材。
紫外線や雨風による退色・劣化がおきにくく、汚れも付きにくいです。
耐久性も半永久的で、維持管理コストが大幅に低減できます。

 
そとん壁
 

③完全防水
そとん壁は下塗り材と上塗り材の2層構造になっています。これは、そとん壁だけの防水の仕組みです。
そとん壁にしみ込んだ雨水は、超微細な下塗り材にはほとんどしみ込むことが無く、重力によって下方向に引っ張られながら、隙間が大きく抵抗が少ない上塗り材を流れて行きます。
だから、そとん壁の下まで水が入ることはありません。
(つまり、家を劣化させる原因の湿気を防いで、下地をずっと守ってくれます。)

 

 

④透湿機能
多孔質なシラスは、透湿性に極めて優れています。
壁内部の湿気が壁表面から放出され、建物を湿気による結露やカビから守る透湿機能まであるんです。

 

そとん壁
 

■ そとん壁のデメリット
①イニシャルコストが高い
耐久性や耐候性、風合い、メンテナンスフリーを加味すると妥当だとは思いますが、初期費用は他の外装材に比べるとやはり高いです。

 
②ひび割れのリスクがある
左官塗りによって仕上げられているので、地震などによってひび割れが起こるリスクがあります。
実際にはひび割れを防ぐような下処理を行っているので可能性は低いですが、そういったリスクはあると思います。
また無機質な素材を上塗りとして使っているので、表面がポロポロと落ちることがあります。
これは表面だけの問題で、そとん壁自体に問題がある訳ではありません。
 
そとん壁
 

■ メンテナンス方法
そもそもそとん壁は、厳しい環境でも劣化しない高耐久性を持ち、退色や劣化がありません。
塗り替えなどのメンテナンスも不要です。
無機質の素材の為、カビが繁殖することもなく、静電気による汚れの吸着も発生しにくいです。
 
しかし、排気ガスや粉じん、雨ダレによる汚れが紫外線で焼き付いてしまい、汚れになることはあります。
汚れが付着しているのに気が付いたら、なるべく早めにスチーム洗浄機や高圧洗浄機、亀の子たわしなどで洗い落としてください。
 
万が一、地震などによってクラックが出来てしまった場合は、専用の補修用キットで直すことが出来ます。
(クラックが出来てしまっても、機能の低下や建物の安全性への影響はありませんので安心してください) 

 
そとん壁の外観
 

■ まとめ
外壁はお家の顔でもあり、みなさんこだわりたい部分。また材質もいろいろ選択肢があるので、悩む方が多いポイントの1つです。
外壁材は雨風にさらされ、毎日紫外線を浴び続けるので、経年劣化は避けられません。
一般的には10年を目安にメンテナンス費がかかってくると言われていますが、外壁工事となると1回に100万円ほどかかることも。
そとん壁は初期費用は高いですが、性能と美しさには他に代えがたい魅力があります。
塗り壁に興味がある方は、選択肢に入れてみる価値があると思います。

 
そとん壁
 

■ 最後に
このコラムでは、家づくりや建築に関する知識や情報を発信しています。
毎日何か所もの現場を飛び回る現役現場監督の代表荒木が、知っておくべき専門的な建築に関するあれこれを綴ります。
建てる前も住んでからも・・みなさんの豊かな暮らしのお手伝いができると嬉しいです。

 

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最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
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